時代の激動期だからこそ「ハートの沈黙」

有料のオンラインブッククラブ「ソフィアの図書館」に投稿した2025年6・10の記事から、少し編集してこちらに掲載します。

アリスベイリー「ハイラーキーの出現」第二章「世界の全般的な状況」から。1939年に書かれています。

p112
人類は盲目的な無知と無認識の状態から、人生に知的に取り組み、責任感を持った状態へと確実に前進してきたということである。あなた方すべてに目覚めつつあるこの責任感が—現在のように大規模に—目覚めるのは比較的新しいことであり、あなた方すべてが感じている苦悩や苦痛を確実に増大させている要因のひとつである

これは、第二次世界大戦の直前の混乱と危機感の中から書かれている事ですが、ちょうど同じ螺旋が一周してきて、今の私たちの立ち位置になっていると思わずにはいられません。マスターが仰るように、中世、近代と、人類の意識が目覚めて来て「知的な」状態にまで至ったというのは、1939年の場合は確かに「比較的新しい」状況と言えるでしょう。私たちの時代は、そこから80年余り経て、もう「比較的新しい」とは言う事は出来ないのでは。

それでも、現在の状況は、まったく同じ言葉で語られても良い雰囲気であると個人的には思います。「目覚めつつある責任感」—-まだまだ、目覚めていない人々のほうが多いような気がするので。けれど確実に変化の時が来ているのは間違いない。

p114
あなた方にできることについて、次のような提案をしたい。極度の精神的な不安に襲われたり、世界の苦悩や不安や悲嘆に打ちひしがれる態度に逃げ込んだりしないようにしなさい。霊的な存在に立脚するように努力しなさい。毎朝、瞑想の時に、改めて決然とそのような態度をとり、日々待ち受けている奉仕を行うときにもそのような態度を保つようにしなさい。

p115
周囲に見られる同じような発言や思考の習慣に引き込まれ、気がついた時には攻撃や憎しみの精神に加担してしまっていたということは、極めて容易に起こりうることである。そうならないように必死に身を守り、どのような人種、どのような人物、どのような集団、集団や国家のどのようなリーダーに関しても、憎悪と疑惑の炎を煽るようなことは一切言わないようにしなさい。注意深く身を守らなければならない。(中略)気づいたら自分が憎しみに満たされ、愛の法則— 世界を本当に救うことの出来る唯一の法則—を破っていたということのないようにしなさい。

今現在が、当時の状況から螺旋を一周回った立ち位置なのだとすると、それでも、現在でも同じような憎悪や疑惑の炎は、危険な要素として依然、存在しているように思います。ワンサイクル巡って来て、恐らく人間社会はそこを今回は超えていくのだろうと思えますが、まだ、その超えるべき山の手前に居る。

「世界を本当に救うことの出来る唯一の法則」とは「愛」である。

それも、問題を解決していくに当たって、愛を広めよというのではなく、「自分自身が愛でない状態にはなるな」と言っています。これは本当だなと。

2025年ヴァージョンでは、昨今の量子物理学の展開と、それと自然と結びつきつつあるスピリチュアルなメッセージとして、「意識が現実化する」ということをさかんに多くのメッセンジャーたちが発信しています。80年前でもマスターは同じ事を仰っていますが、テクノロジーや情報が社会を変えようとしている今は尚更に、「自分に集中」することの重要さが増していると感じます。今はもうそういうタイミングである、と。

「風の時代」であるが故に、情報での混乱と摩擦が激しく起こっている。そんな中で、自分づくりをこれまでして来た人であっても、情報を選びとること、恐らく誰にもわからないこの先の展開の中で、その時々、直感や直観を通じて「正しい」行動を選択できるかどうか、それらについて、常に迷わずに居ることは恐らくとても難しい。

混沌とした時代だからこそ、「自分の考え」というより「自分の状態」がまずは大事で、どんな状態であれば良いかと言えば、やはり「愛」でありつづけることだろうと。

(世界を救うための)鍵は、「愛に溢れたハートの沈黙」とのこと。(p115)

考え、頭、思考、で問題を解決しようとすると、どうしても上に引用した文章のように、善悪や好き嫌い、正しいか否かという論争、分離、争い、憎しみ、という連鎖に繋がっていく。「せめて」出来ること。事態を悪化させないため、自分が混乱に呑まれないようにするために重要なのは、「愛であること」である。

「二極化する時代」だと言われ、その「二極」の意味や解釈もさまざま言われています。「うまく行っている人と苦労している人に分かれている」という表現も聞きました。けれども私は個人的にはそこ、ではなく、「利己と利他」ではないかと思っています。

現在の、人類の進化は利他に向かっていくこと。それが未来なのです。これまで利己的な状態にとどめられていた、また自ら人類が選択してきた長い年月。その中にも、私たちはちゃんと慈愛、利他、も経験を積み、育んで来た。それを今度は社会の基盤にしていく時代が来ているのだと思います。

社会は厳しく理不尽だ。人生は、生きていくのは大変。という、試練の時代から、もっと魂に回帰していく愛や創造を喜び楽しめる時代へ。そのためには、土台となる社会は「理不尽で厳しい」ものではなく、人々が愛の中で生きることと矛盾しない、構造・性質であるものへと、作り替えられる必要がある。

今はそんな過渡期にある。

p117〜は、「古代に起源を持つ勢力間の衝突」という条になりますが、以前の記事でも書いたように、光と闇の闘いはずっと古代より続いていて、それぞれが何かといえば、物質主義から「より高位の霊的な階層へ」進化していくことと、それを阻む力、その両者こそが、「光」と「闇」である。

その争いは古代において、それぞれの価値観に対して「誓いを立てた」ものだという。

う〜む。まさにその辺り、書いていたのがブッククラブで配信のアトランティス小説「マーラの名のもとに」ですが、2025年の今、あまりにもリアルタイムであるので、一旦執筆はお休みに入りました。やはり過去にも人々はそれぞれの立場で対立したのであろうし、それを再現しているのが今なのだと思います。けれども、対立や摩擦を卒業して、上に書いたように「愛」へと抜けていく道を歩まなければならない。

そういった局面では、目に見える場所で自分と敵対するように(自分を敵だと考え攻撃してくるように)見える人やもの、状況に対峙する、というよりも、自分自身の内側が、その事態にどう反応しているか… に注目し、そこに癒しを入れていかなくてはならない。

多くの人々の中でそんなプロセスがうまく運べば、利他を社会レベルで実現できるはず。

今日はこのくらいで。
Love & Grace
Amari

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「目覚め」に必要な「心のあり方」

今年の前半、そして7月にあったと感じる「回転」の区切り目以後は「沈んでいるもの」の昇華と浄化が実際に(アースワーク的な意味での「物理的に」)起きていて、エネルギー的に厳しいなと感じる事が何度かあったのですが、最近は大気に含まれる気の流れ、プラーナやグレースが「シン」と周波数を上げて、とても気持ちが良い。一方で、その光に照らされてこれまで、見なくても済んでいたような人々の各自の歴史の中の闇のようなものが人それぞれ、浮上してくる時期なのかも。

心のあり方が本当に試される時です。3~4年前に(その当時の)学びの扉のようなものが、内界(地球人類の背後にある高次元の愛の領域=神界)側では締め切られたような時がありました。これは確かにそうだったと思っています… が、いつでもどのタイミングでも「間に合う」というのも事実で。

間に合う、そのコースはそれぞれ変わりますが、もちろん人間として生まれて来て生きることは常に学びであり、いつでも切り替える事は出来るし、「間に合う」ことも出来る。

早く気づいている人はこれまで以上に、そうではない人々の道に迷う姿、それでも気づかずにいる姿、時に、気づいている人を「間違っている」と指摘してくる姿に、出会うのではないでしょうか。多くの偉大な宗教家がそうであったように… その神話的なパターン(原型)が、多くの人々に適用されるという時代が来ているような気がします。

もっとも、それを小さく再現したモデルタイプは常に、スピリチュアル、や、癒しの世界や、人生観などに目覚めが起きた人々には付き物ではありますが。そのような体験を通じて、自分自身の目覚めや覚悟を試される。つまり全て、反対する人や邪魔する人、そう見えている人々や物事があったとしても、自分自身の魂がこの現象界に映し出している、エネルギーであるということ。

小さく再現した個人ヴァージョンではなく、社会全体でそのモデルタイプを体験し、試されるのが、歴史上時折巡ってくる時代の周期の変わり目だろうと思うのですが、今はとても大きい勢いでその周期の入れ替えが来ているタイミングだろうと感じます。

神智学(リードビーター)の人類と太陽系、宇宙の進化サイクルについての理論では、地球のソウルが体験する七つの進化段階の中で、もっとも「波動が下がる」=物質的 のがアトランティスであり、そこを抜けて現在は5番目のサイクルに入った。恐らく12000~13000年前の大洪水以後のことを言うのだと思いますが。

私たちの文明期に残っている伝承・伝説の類では、アトランティス末期の混乱を生き延びて(避難して)、現在の文明のスタートに立ち会った人々から伝わっているものと、現在の文明の始まりを表した創世神話的なものが混ざっていると考えています。

進化サイクルの話に戻ると、5つめの人種期に入ったとは言え、一つ前の人種期のカルマ精算や、情報の整理・おさらいをする時期が必要で、恐らくそこに1万年くらい掛かって、今に至っているのではないでしょうか。

アトランティスの終盤、持っていた能力、ライトボディやチャクラシステム、サードアイ・松果体の活用や、当時なりの生殖システムなど、多くの「宇宙的」遺伝子の働きを封じられて、物質界に閉じ込められてしまった人類。その封印を解いていく時だと考えます。

とは言え、失った、「神々により」封じられたことにはそれなりの理由があり、取り戻していくに当たって、利己的な動機によってただ力、能力だけを開発しようとしても、寧ろ逆効果であろうと思います。ここでは、個人ではなく「人類全体」の歴史やカルマ精算が働く。

能力を拓く、のではなく、もともとあったものを取り戻す。ただ、そこには、「なぜ失ったか」を知り、贖いや、新たな決意・意図といった、心の持ちようの洗礼が必要なのだと思います。

聖書が伝えるように、やはり人間が「利己主義」に陥ったために、光や音や波動といった微細なものを扱う、感じる力を封じられていった。急にではなく、徐々に。

ゆえに「利己的」であること、フィジカルな世界や目に見えるものだけに注意や思考を集中している現在の在り方を頭から「外して」、体や骨格や遺伝情報や隅々に刻まれている「物質的な感性で生きている状態にとどめておく仕組み」を、ほどいていく行程が必要です。

そのプロセスの歩みの中で、ひとつずつ、封印が解かれていく。

私が考える人類の「覚醒」「進化」とはそのようなものです。もちろん、全体を引き上げる力が働いているので、集合意識フィールドの協力体制にシナジー効果が起これば、一気にグンとステップアップするようなことも、準備されているとは思います。ですがそれには、

まずは「心のありよう」を切り替えて、自然界や母なる地球、世界中のすべての人々とともに在るという、ワンネス意識、ホールネス意識、全てはつながり合い、関わりあって、支え合っているのだという意識を持ち、生活や思考を変えていくことから、全てが始まる。

研究者の発表などから、スマートフォンやデジタル生活による人間の脳の危険が問われている最近ですが、100年前に書かれた神智学の先人たちの情報によると、人間は意識の持ちようや自己浄化に励むことで「魂が肉体脳を支配する」という状態になるそうです。

「支配する」というと言葉がよくないかもしれませんが、自分自身がソウルとして生きることで、物質的な肉体的な自分ではない大きな宇宙的な存在として、肉体や、脳を、機能させることが出来る状態になる、ということ。

本当ならば恐らくパンデミック前に、自我をしのぐ魂の力を各自の中で強めておくことが、特にメタフィジカルな探求をしている人々、スピリチュアルに興味を持ったりかじったりしている人々には、求められていたのだろうと思うのですが…(「内界」の「神なる領域」、人類進化を導く世界はそれを促進していたのですが)

というのは、社会における「脳への脅威」はすでに始まっているので。ソウルが優勢、魂に道を開け渡す準備が出来ている、あるいは葛藤はするけれどその用意はある、というような段階の人々は、やすやすと脅威に絡め取られていくようなことはない。けれどもそうでないと、社会や個人にかかるマジックやトリックに、翻弄されてしまう。

「物質的ではない存在である自分」に気づき、目覚めていく。クラウンチャクラやソウルシステムの縦軸から、流れ込んでくるその光と成長のウェーブを受け取り、利己ではなく利他、地球や自然界を愛する方向へ導いていく力に、心と現実を沿わせていきましょう。

「上から来る」、光であるように装って違うものが来ることも多い最近。見分ける、感じ分けるには、左脳的な情報(数字や三次元的な上下関係・地位)ではなく、右脳やハートの感性で測る力も必要で、それにはやはり、自分自身をクリアリングして、淀みを洗い流していく事が大事です。恐れや怠惰や怒りなど、重たい感情を清めることが、最初の一歩です。

2024年、冬至を目前にして。

Love and Grace

Amari