2017年3月、当時まだ正式な名前が決まったばかりの「アルガンザ・ジェネシスヒーリング™️」の、最初の世代の伝授最終段階のセミナーを前にして、バイブルとなる「the Genesis」のまとめに入ろうとした時、直感的に導かれて、結果、ジェネシス神話、特に、太陽系における魂の進化スキームについての教書となったのが、イギリス出身のチャールズ・リードビーターの概念。神智学協会2代目会長アニー・ベサントの右腕、とも呼ばれた方。
私はこの方の肖像をネットの画像検索で見た時(ぜひ見てみて)「一目惚れ」してしまい、その純粋さ、優しさを窺わせる深い瞳の光に、写真と見合うだけで包まれるようで、以後、こっそり印刷してブロマイドのようにして大切にしている。ジェネシスの伝授の際には、皆さんにもお見せしているし、アルガンザの内輪では「校長先生」と呼ばれている・・。この「一目惚れ」とはもちろん、師匠として、ということ。。
何故だか日本語に訳された書籍が、実際の業績の割には少なく、その背景なのか、様々な「問題点」を指摘されたり批判されたりしてきた当時の空気感が、何となく今でも、後世の私たちの時代でも、出版関係者等を迷わせるのかもしれない、と思ったりする。チャクラの概念を、インドのヨーガに学びながら西洋に分かりやすく説明し、オーラの層やチャクラが7つあり、こんな色をしているとか、それぞれの性質とか・・を、最初に整理し、提示し、紹介したのがこの方なのだ。
エーテル体、というのはインド思想にも示されていないものを、この方が、肉体の一部でありながら物質ではない層として、概念化した。
アリス・ベイリーの素晴らしい仕事も、土台としてはこの、リードビーターの偉業の上に積み重ねられたものだ。
数少ない邦訳書の中で、有名な『チャクラ』の巻末、訳者の先生方による「解説」に、非常に詳しい経歴や神智学のあゆみ、業績や人生について記されている。以前読んだ時に、協会内でも批判や嫌疑が浮上して、それも長期的に・・ 人望がある一方で、どうも叩かれてしまう方であったよう。
60代で、支持者からも「はっきりさせて欲しい」という声が上がり、法廷で争われた結果、無罪となり、疑いは晴れたそうだけど、最近読んだ現代のイギリス人の女性が書いたヨーガ系の情報本で、「リードビーターは小児性愛者」と書かれていて(!)、その他の情報ソースでも、彼が見出したクリシュナムルティや、その他の才能ある少年たちに対して、良からぬ事をしたという記述を以前、見た事があるのを思い出した。
以前、「チャクラ」の解説で裁判の話を読んだ時には、以下のような文章が添えられていた。
「この間(裁判沙汰の当時)彼のとった態度は、リードビーターの人柄をよく示している。彼は非難に対して一言も弁明せず、攻撃する人たちを怨むような態度も全くなかった。彼をよく知る人たちは、彼のその態度は忍耐の結果ではなくて、率直で純粋な性格によるものだと言っている。殉教者ぶる気持ちは全くなく、協会の大きな目的だけを考えていた」(「神智学協会小史」から)
私はこの一文を素直に読んで、マイケル・ジャクソンと同じ様に、何らかの理由で「小児性愛者」に仕立て上げられてしまったのだろうと、思ってきた。
けれど、書籍として販売されている情報源や、ネットで出てくる目立つ記述の中で、決め付けられているかのように書かれているのを見かけると、改めてショックを受け、フレームの中に入っている「校長先生」に、このところ心で語り掛けていた。。
情報というのは本当に曲者で、聞いた人には真偽を確かめる前に偏見を植え付けてしまい、そして何故かそれを完全にぬぐい去る事は難しい。イメージを残してしまうのだ。
まして、この、神秘の追求という世界に潜むよからぬエネルギーのこと、ネットワークについて、また、不意に誰か隙のある人の中にそれらが「舞い降りて」来て、仲間だと思っていたような身近な範囲の人が、攻撃要員に変わってしまう事が起こりうる、という事が、端くれながら私も体験や見聞から分かっている。スピだけではなく例えば韓流時代劇でもよくあるでしょ・・・相手を落としたい時、仕事の邪魔をしたい時、非常によくある手口でもある。
そして、あまり深く考えない大衆的な層には、真偽はどうであれ、偏見を植え付けてしまう。
私の主観として、「師匠」を信じることにしたい。生涯独身だったようだから、同性愛者であった可能性は(純粋な瞳の輝きからしても)察せられる。そんな彼が、インドで少年たちを次々と見出して、イギリスにおいて高等教育を受けさせるというプロジェクトを行っていて、指導していた神智学協会の青年たちによからぬ事を教えた(これはクンダリーニの暴走にまつわる性エネルギーの問題に関する情報を教えた、という事だと思ってもいる)などの、状況が起きていたために、
何らかの理由で彼を陥れたい、という人物や集団、あるいは「チャクラ」「オーラ」などの人類が賢くなる知恵を西洋社会に広めるという彼の偉業を邪魔するために働いた見えないエネルギーが、闇が光を潰そうとする時に行う方法論で、地上に居る人間たちを動かし、彼の仕事を封じようとしたのかもしれない。
そして、100年近く経過した今でも「小児性愛者」なんて書かれてしまうような、流れが生まれてしまったのかも。ブラバツキーやアニー・ベサント、後のアリス・ベイリーには起こらなかった?そのようなスキャンダル戦法?が、彼に起きたのは、同性愛者?、あるいはそう思われる空気や状況があった事が、隙になってしまったのかもしれない。
当時(欧米の一部の国では)同性愛者というだけで「罪人」として投獄されたという状況は、悲劇の天才アラン・チューリングに関してもよく語られる。(後述)
いや、真相は分からない。同性愛はその人の自由であるし、ある種、魂のカルマであることを神智学も伝えているから、問題視すべきではもちろん無いけれど、「小児・・」はマズい。どうしても、晩年の肖像からしてそれは結びつかない。幼い弟を、暴徒に襲われるという悲劇で亡くしていて、自身もオクスフォード進学の予定を、父親の経済的破綻ゆえに断念して、聖職者の道へ。
そのような経緯があったために、縁が出来たインドで、才能があっても貧しい少年たちに、教育を受けさせたいと願って、実行したのではないかと、思いたい。インド滞在中の使用人の少年を、進学させるために自身もわざわざイギリスに帰国して、出版社で勤務してお金を稼ぐ様な事をしている。幼い子に強要するような自分勝手な人が、そのような事をわざわざするだろうか??
クリシュナムルティとのすれ違いなどが、リードビーターの印象を悪くしているのは恐らくあるだろう。
読書から、こんなことを考えていた最近。それがまたいつものようにシンクロニシティで、たまたまNHKオンデマンドを覗いて、何となく見始めた『ヒューマニエンス–40億年のたくらみ』の「数字」の回の後半、リードビーターが亡くなる1930年代に、イギリスのアラン・チューリングという数学者が、今のコンピューターの元になっている二進法によるデジタル概念を発明し、後にナチスの暗号を解読するという活躍をしながらも、
同性愛者であったために「有罪」となり、ホルモン治療などを強要され、41歳で自死したというエピソードを知った。マイケル・ジャクソンも同じくだけど、この世に生まれ落ちてくれ、偉業を成し遂げてくれている天才たちを、なぜそんな形で早死にさせてしまうのだろうか・・・と。これこそが人間社会に発生する闇の力であるし、多くの人間がその恩恵を受けていながらも、そんな天才たちを守り救うことが出来ずに悲劇に追いやってしまう。
死後、認められる才能と偉業。・・そして無罪であったこと、純粋で優しい魂にひどい扱いをした人間社会の実態に、人々は後で気づく。
チューリングは、今現在のイギリスの新50ポンド(2021年〜)紙幣になっているようで。
師匠、リードビーターの「汚名」は晴れるだろうか。それとも・・? 当時裁判所は「詳しく調査」した結果、無罪判決を下したらしい。けれど、そうとは思えない「伝承」が今でも平然と見受けられる。チャクラについての見解も、インドの専門家によって誤りがある、と判定されている部分はあるそうで、それは仕方ないと思うけど、、、どこかで読んだ情報では「チャネリング情報が間違っている」と批判されていた。
・・・けれど、著名な作家でも研究者でも、その当時の見解で記録するだろうし誤りが見つかることだってあるだろう。増してチャネリングや透視が「間違っている」との批判を受けるという神秘家も、珍しいのではないかと思う。冷静に考えるとやはり、とても、何か不当な扱いを受けてしまっている「師匠」の事情が見えてくるばかり。何かあるのだろう、あったのだろう、きっと。(もちろん欠点や落ち度も、人間だからあったのだろうけれど・・)
そして何故に私はこんなにも、心を向けているのだろう。と、考えながら今日も「校長」の肖像写真を見つめる。
チューリングの映画「イミテーションゲーム」を見てみようかな。
Love and Grace
参考文献:
『The Chakras チャクラ』C. リードビーター(本山博 湯浅泰雄/平河出版社)